銀河鉄道の夜その12
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銀河鉄道の夜その12

作品:銀河鉄道の夜
作者:宮沢賢治

 ジョバンニはすぐ入口から三番目の高い卓子《テーブル》に座《すわ》った人の所へ行っておじぎをしました。その人はしばらく棚《たな》をさがしてから、
「これだけ拾って行けるかね。」と云いながら、一枚の紙切れを渡《わた》しました。ジョバンニはその人の卓子の足もとから一つの小さな平たい函《はこ》をとりだして向うの電燈のたくさんついた、たてかけてある壁《かべ》の隅の所へしゃがみ込《こ》むと小さなピンセットでまるで粟粒《あわつぶ》ぐらいの活字を次から次と拾いはじめました。青い胸あてをした人がジョバンニのうしろを通りながら、

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底本:「新編 銀河鉄道の夜」新潮文庫、新潮社
   1989(平成元)年6月15日発行
   1994(平成6)年6月5日13刷
底本の親本:「新修宮沢賢治全集 第十二巻」筑摩書房
   1980(昭和55)年1月
入力:中村隆生、野口英司
校正:野口英司
1997年10月28日公開
2004年3月2日修正
青空文庫作成ファイル:
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